
近衛歩兵第一聯隊。
明治維新時の「御親兵」を基礎とする、日本陸軍の精鋭部隊。
その戦友会の会報のタイトル「全国近歩一会報」。
先日、見ず知らずの人から突然電話があり、
「近歩一って、どう読むの?」という。
読み方を知りたくて、あちこち調べたがわからず、インターネットで検索したら当店の販売目録がヒットしたそうだ。
そんなことボクに聞いたってわかるはずないのは明らかだと思うのだが。
ときどき、ボクに聞いてもわかりっこないことを突然に電話で聞いてくるヤカラがいる。
こうしたヤカラは
・老人の声
・名前を名乗らない
・横柄な口調
という共通点がある。
見ず知らずの他人の生活に突然闖入して、ものを尋ねるのだから名前くらい名乗ったらどうかと思うのだが、「業者」に礼儀を尽くす必要などないと思っているのだろう。
まあ、あちこち尋ねても解決せず、藁にもすがる思いで電話してくるのだと思うことにしている。
たしかに、敗戦から65年、長い歴史からみれば「ついこの間」なのだが、旧日本軍をめぐる些細な事実で、わからなくなってしまったことがたくさんあるのかもしれない。
そういえば、もう25年以上も前の話だが、「米欧回覧実記」の研究で有名な田中彰先生が、学生だったボクらに
「もしキミらのなかで(日本近代史の)研究者をめざす人がいたら、軍隊か華族を研究テーマにするといいよ」と仰っていた。
軍隊と華族−ともに戦前は強い存在感を発揮しながら、戦後日本社会から抹殺され、しかも、戦争と特権階級は「イケナイこと」としてタブー視されてきた。
だから研究している学者も(当時は)少なく、新進研究者が入り込む余地がいっぱいある、というのが田中先生のお話のココロだ。
ところで、歩兵第一聯隊は通称「歩一」。これは「ほいち」で間違いないだろう。
「近歩一」は「きんぽいち」じゃないかと思うのだが、どんなものか?