DSC02569.JPG古書店「氷川書房」と4匹のねこの日々

氷川書房ホームページ
氷川書房:この図録が面白い!


2012年06月05日

タビちゃんの子供たち その8

インターネットの里親募集サイトに掲載してみたものの、
なんの反応もない日が続く。

こうしたサイトを悪用して、子ネコ・子犬を引き取っては、
虐待したり惨殺したりする異常者の噂なども聞いていたので、
(噂だけでなく実際に逮捕・起訴されたケースも何件もある)
心の奥底ではホッとしていたりして・・・

秋が深まるなか、
何にでも興味を持ってイタズラばかりする4匹にトイレのしつけをし、
爪研ぎをすれば叱り、
予防接種(子ネコは2回しなければならない)に通い。

賑やかな暮らしが続いた。

一家だんらん
087みんなであそぼ.JPG

ジョウロでかくれんぼ
096ジョウロかくれんぼ.JPG

クズ籠でかくれんぼ
138なんで好きなの?.JPG

パソコン実習
DSC01092.JPG

つかれた・・・
DSC01092.JPG
(つづく)

2012年06月07日

タビちゃんの子供たち 最終回

だんだん情が移っていく。
152邪魔するリンくん.JPG
いっそ4匹ともウチで飼おうか−なんて考えはじめた11月下旬。

里親募集サイトからカン太にお声がかかった。
しかも相次いでお二人の方から。

あの4枚の写真の中で、カン太が一番かわいく写ってるもんね・・・

何度かやりとりで、お二人ともしっかりした信頼できる方なのがわかった。

まずは先に御連絡いただいた方とお見合いの運びに。
そして、一目で気に入られたカン太は、そのまま某高級住宅街のお屋敷の飼い猫として旅立っていった・・・

その日の朝。
4兄妹が揃った最後の写真。
164リンちゃんお別れの日.JPG
元気でね・・・

不思議なもので、それからはバタバタと希望者が現れ、12月の頭までに、
まずマロちゃんが、ついでサリーちゃんが引き取られていった。

だんだん寂しくなる。
特にボクに一番なついていたサリーちゃんの引取先が決まった夜は、
寂しくて泣くところでしたヨ!

なので、トン吉1匹が残った時点でインターネット掲載は取りやめた。

ところが、かかりつけの動物病院経由で、近隣にお住まいの方からお話しがあり、
12月中旬、トン吉も動物病院でお見合いしたあと、そのまま引き取られていった。

みんないなくなっちまった・・・・

残ったのはトムとタビちゃん。
179タビ&トム.JPG

タビちゃんは案外サバサバしたものだったが、
トムは、トン吉がいなくなった夜、ニャーニャー鳴きながらウロウロと歩きまわっていた。

いなくなった子ネコたちを心配して探しているのだろう・・・

ある日のトムと子ネコ
112相似形.JPG

5ヶ月におよぶ子ネコ騒動。
今から思えば楽しかったな・・・・
(終わり)

2012年06月11日

うつくしい音楽! 31

奥様が音楽家の同業者に聞いたのですが、
音大の入試では必ず2つの楽器
−専攻のほかにもうひとつということですが−
を水準以上に演奏しなければならないとか。

バイオリンとピアノ とか
フルートとハープ とか(そんな人いねえか)。

そうか・・・。
じゃあ
バイオリンとヴィオラってのはダメですかね?
Viola.jpg

ボクが大学を受ける頃は「共通一次試験」ってのがあって、「5教科7科目」必修の時代。
国公立行きたいやつは全員、理科と社会を2科目ずつ受けなければならない。
理科には「物理」「化学」「生物」「地学」の4科目があって、
ボクのような理科系ダメダメなヤツは「生物」と「地学」。
いっぽう、社会が苦手な理系の連中は「公民」と「地理B」を取るのです。
まあ、ズルイ組み合わせなんです。。。 後に禁止になったはず。

「バイオリンとヴィオラ」って、そんな感じかしら?

華やかなバイオリンに対して
ほんと地味なイメージのヴィオラ。

ヴィオラリサイタルってのも多くはないし、
オーケストラでは内声部を受け持って、
ボクら素人には何やってるんだかわからない(ヴィオラ奏者の方ごめんなさい!)

「サザエさん」の「かおりちゃん」と「早川さん」みたいなもんですかね?
ぜんぜん違うか。。。


でも、「ヴィオラが好き!」って方もいるんですよね・・・

このブログにも書きましたけれど、
ボクも、おととしヴィオラの演奏会に行きまして、
バイオリンとそっくりな外観、そっくりな奏法でありながら、
単なる「音程の低いバイオリン」あるいは「音程の高いチェロ」ではなく、
いぶし銀のようなしぶい音色に、
「あ〜、ヴィオラっていいなぁ〜」と。

バイオリンの先生にうかがうと
「バイオリンが弾ければヴィオラも弾けるわよ」
ということなので、いつの日か弾いてみたい。

でも、ボクはやっぱりツンと澄ましかえったバイオリンの音のほうが好きかな?

バイオリンとヴィオラの曲とくれば、モーツァルトの「協奏交響曲」。
めちゃめちゃ有名ですね。
下の動画はヴェンゲーロフとバシュメットの巨匠そろい踏みですけど、
この二つの楽器の音色の違いがよくわかります。

モーツァルト ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 第2楽章


ヴィオラの話題、次回につづきます。

2012年06月15日

うつくしい音楽! 32

ヴィオラの話、続きます。

前回、地味だ地味だと失礼なことを書いてしまいましたが、
もちろん、ヴィオラのソロイスト、いらっしゃること承知してます。
前回紹介したバシュメットとか、プリムローズとか、今井信子さんとか、CDで聴きました。
607.jpg641.jpg548.jpg

バイオリンとは違った「いぶし銀のようなシブイ音」というと月並みな表現にすぎるかな?
変な言い方ですが、バイオリンが風邪を引いて、ちょっと鼻声になったような−いや、褒めてるんですよ!
そこが一度聴いたら忘れられない魅力なのです。

そうは言っても、ヴィオラのために書かれた曲って少ないのは事実でしょう。
そんな中で、私のお気に入りは、これっ!

ボクのお得意のブラームスです。
ヴィオラ・ソナタ1番と2番。
ブラームス最晩年の作品のひとつ。
もともとクラリネット・ソナタとして書かれたものをヴィオラ向けに直したとか。

1番をおすすめの人が多いのですが、ボクのおすすめは2番の冒頭。
ブラームスって「生涯かなわぬ恋を追い続けたセンチメンタルなオヤジ」ってイメージですが、
イメージそのまんまの旋律。
ピアノの名手ブラームスの室内楽にしてはピアノパートがおとなしいのがチト残念かな?

ブラームス ヴィオラ・ソナタ第2番 作品120-2 第1楽章 アレグロ・アマービレ


そうそう、こんなのもあります。
ちょっと珍しいので御紹介。

バイオリンの初心者にはおなじみの
「ブラームスのワルツ」をヴィオラ二重奏で。
バイオリンでもできるかな?


ヴィオラの話、まだ続きます。

2012年06月18日

うつくしい音楽! 33

まだ続くヴィオラの話。

ヴァイオリンを習っている方なら、こちらのサイトご覧になったことあるのではないでしょうか?
ヴァイオリンがわかる!

こちらの先生が、以前、ヴィオラについて、こんなことを書いていらっしゃいます。
「ヴィオラを弾くことはヴァイオリンを弾く上で有用」
なぜかというと
「ボーイングについてもフィンガリングについても、ヴァイオリンより問題が拡大されるため」
ヴィオラを弾いてみると自分のどこが問題なのかがよくわかる−というのです。
なので、ヴィオラを練習させて「その後ヴァイオリンに戻すと、大抵は良い音になっている。」

なるほど、おっしゃることはわかるような気がする。
「大は小を兼ねる」 違うか・・・
「小よく大を制す」 ますます違うか・・・
ま、とにかく、面白いお話しだな−と思ったので紹介した次第です。

前回、ブラームスのヴィオラ・ソナタを紹介しましたが、このほかにもヒンデミット(ヴィオラ奏者出身ですからね!)、ショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタが有名ですね。
でも、どれもボクには難解で・・・
途中で眠くなっちゃうんですよ。

そんな中、ミハイル・グリンカのヴィオラ・ソナタが親しみやすいメロディーでイイですわ!
あの「序曲ルスランとリュドミラ」のグリンカですわ。
ロシアっぽいほの暗い旋律がヴィオラの音色とピッタリ合っとります。
曲の解説はコチラの方がくわしく書いて下さってます。

ミハイル・グリンカ ヴィオラ・ソナタ ニ短調

2012年06月25日

もう一匹のコマちゃんへ その1

突然ですが、
下の2匹、ソックリじゃありません?
DSC02748.JPG
DSC02743.JPG
上は御存知わが家の飼い猫コマちゃん。
下は近所のノラネコちゃん。

DSC02589.JPG
DSC02742.JPG
かたやヌクヌクと暮らす飼いネコ、
かたや命の危険や生存競争と隣り合わせのノラネコ。

だから、ノラのほうがキツイ顔つきになってしまうのは仕方がない。
あと、このノラちゃんは多分オスです。オスは顔が長めです。
その点を考慮してもよく似てると思うんですよ。
画像にはないが、しっぽの形状もよく似ている。

これだけ似てるのは、両親とも同じ、
つまり「きょうだい」だと思うんですよ。

コマちゃんを保護した経緯は前に書きました。
たった一匹でさまよっていた小さなちいさなコマちゃん。

いっぽう、今ノラちゃんのいる場所は東京有数の幹線道路の向こう側。

2匹の間に何が起きたのか?
他にもいたと思われる兄弟たちはどうしたのか?

知る由もありません・・・・

コマちゃんはまだ3歳くらい。
食事にも寝床にも困らないし、優しいネコたちに囲まれて、
特に大きな病気でもしない限り、この先、当分生きるでしょう。

いっぽうノラちゃんは、今は元気そうだが、
感染症、栄養不足、交通事故、怪我・・・
いつ命を落とすかわからない。

ノラネコで5年以上生きるのは相当な強運の持ち主ではないかしら・・・

まあ、コマちゃんが絶対に幸せだとは言わないが、
2匹の運命をわけたものは何なんだろう・・・

(つづく)

2012年06月28日

もう一匹のコマちゃんへ その2

そっくりなこの2匹。
DSC02161.JPG
DSC02744.JPG

ちょっとした偶然の重なりで、コマちゃんはあのまま衰弱して死に、
もう1匹の子がウチの飼いネコになっていたかもしれない・・・
そうなったって不思議はなかった。

ボクら人間だってそうでしょう?

親兄弟と出生地は自分で選べない。
でも、それ以外のことは自分で選び取ったんだ−と自信を持って言えるだろうか?

人生で最も重要な要素である「仕事」と「配偶者」にしたって、
自分で熱烈に希望してつかみ取った結果なのか−といえば、そうとも言い切れない。

ちょっとした偶然や、小さな決断や不決断が重なった結果、今の仕事、今の配偶者に行き着いた
というのが、ボクの正直な気持ちです。
別の仕事をして、別の家庭を営んでいた可能性は、日々、いたるところに満ち溢れている。

仕事の話は複雑なので、配偶者のほうを例にとれば・・・
20歳の頃は、その頃つきあっていた「あの人」と、いずれは結婚すると思っていた。
でも、そうはならなかった。
自分も周囲も「結婚適齢期」と認める35歳の頃、その時つきあっていた人と結婚した。
でも、20歳の頃の「あの人」と結婚しなくて、35歳の頃の「あの人」と結婚した理由を合理的に説明できない。
ただただ、年齢的な巡り合わせの結果だ。
出逢う順番が入れ替わっていたら、結果も逆になっていたと思うのです・・・

そんな、らちもないこと考えたことありませんか?
程度の差こそあれ、ほとんどの人は、そんな「可能性の海」を流されて生きているのではないですか?

〈20歳の頃!!〉
IMG_0001.jpg


話はとつぜん変わりますが・・・

以前見た「美しき運命の傷痕」というフランス映画に、妙に印象に残るセリフがありました。
D111847348.jpg
イヤ、この映画、ただ単にエマニュエル・ベアールというボクの好きな女優さんが出てるから見ただけなんですがね・・・
フランス版向田邦子って感じのお話しで。
で、その印象に残ったセリフってのは、
超ウロ覚えなんですが、だいたいこんな感じでした。

「人間なんて自分の判断で生きているように見えて、
実は何か別の力に動かされて生きているのではないだろうか。
中世までの人間は、それを「神の意志」と考えた。
合理性を信奉する近代人は、同じことを説明するために
「偶然」という概念を生みだした」

神の意志なのか、偶然という名の織物に描かれた文様なのか

マンションの一室でスヤスヤ眠るコマちゃんと、
雨の日には軒下で身を縮こませて寒さに震える「もう一匹のコマちゃん」

どうか、どうか、「もう一匹のコマちゃん」が一日でも長く穏やかに過ごせますように・・・・
DSC02740.JPG
DSC02741.JPG
Powered by さくらのブログ