DSC02569.JPG古書店「氷川書房」と4匹のねこの日々

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2012年08月05日

代弓

バイオリンの弓には、馬のしっぽの毛が張ってある
というのは、よく知られていると思います。
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この毛を、初心者でも1年に1回くらいは張り替えないといけない。
というわけで、その「毛替え」をお願いして弓を預けておいたのですが、
8/4の土曜日、出来上がったのを受け取りに行ってきました。

毛替えのあいだは、代わりの弓を貸してくれます。
車検のときに代車が出るのと同じですね。
なので、ボクは勝手に「代弓」と呼んでおります。

代弓は10種類以上用意された中から好きなのを選べます。
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今回お借りして、土曜日にお返しした弓はドイツ製。
ローデリヒ・ペゾルトというメーカー。お値段は6万円ほど(買えば、ですよ)。
ヴァイオリンの弓としては、最もお安い部類。初心者向けの製品です。
去年の毛替えのとき、たまたまこのメーカーの、もうワンランク上、10万円のをお借りしまして。
とっても好印象だったので、また借りてみました。
今回は、ちょっくら現実的に、買える範囲のにしてみた−というわけ。

ボクの弓にくらべると、でかい音が出る。
たぶん−ですけど、木の竿の部分が固い、というか、しなりが少ないので、かけた力がダイレクトに弦に伝わるのではないかと。
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それから、ボクの弓ですと、低音弦(G線)を弾くとき、音がかすれやすいのです。
G線は、張力が最も弱い。しかも、感覚的に「一番奥」にあるので、下手くそなヒトは弓が手前の弦に触れちゃうんですよ。
だから、4本の弦の中で一番むずかしい。
力が弱いと音が出ないし、他の弦に触れないようにって緊張するから、余計な力が入ってヘンテコな音が出てしまう。
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(一番左がG線です)
それが、どうしてだか知らないが、この代弓だと低弦が弾きやすい。

さらに、どうしてだか知らないが、たぶん同じ理由なんでしょうね、「移弦(弦を移りながら)があって早いパッセージ」も弾きやすい。
ボクの弓だと他の弦に触れちゃって、グチャグチャになっちゃうんですよ。

ボクの弓は、お茶の水の下倉楽器さんオリジナルの「K.シモーラ」というブランドの、初心者用です。
中古で買ったので、元の値段は知りません。
バイオリンとセットで5万円弱でした。
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セットだからか、本体と相性がいい。
先生も「この楽器は響きがいい」と仰るくらい、フワーッと広がりのある音が出るのです(先生みたいに上手い人が弾けば−ですよ)。
ペゾルトだと、いくら弾きやすくっても、こういう音が出ない。
だから「やっぱり、自分の弓が好き!」ということを再確認したのでした!

このほか、O先輩の15万円の弓を1週間貸していただいたことがあります。
たしかブラジルのメーカーでした。
このくらいの値段になると、重量バランスが抜群に良いのでしょうかね、
弦に弓を置くと、自然にスっと音が出る感覚が忘れられません。

さらに、一瞬ですけど、もっと高い弓も試したことがあるんです。でも・・・
15万円より上になると、ボクの能力では違いがわからないのでした・・・

それはともかく
ボクみたいなド初心者でも、弓を変えるだけで音が全然違う。
バイオリンって不思議ですよね。

どこをどう変えると音がどう変わるのか?

この日は職人のかたと、少しお話しする機会もあったのですが、
結局、経験則+試行錯誤ってことらしいです。

機械じゃないんだから、弾く人・弾き方・パーツ・弾く場所などなど、変えれば変えただけ、出る音も変わる。
法則も鉄則もマニュアルもないってわけです。
そこがアコースティック楽器の面白いところですね。

オトコって、腕時計とか、マニュアルの自動車とか、カメラ、バイク、鉄道などなど、システマティックな、メカニックなものに心惹かれる人が多いです。
ボクは、どういうわけか、メカニカル・合理的・論理的なものより、感覚的なものが好きみたいです。
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