DSC02569.JPG古書店「氷川書房」と4匹のねこの日々

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氷川書房:この図録が面白い!


2011年03月23日

これが古書展だ! 4

注文の重複している場合は、厳正なる抽選でお頒けするお客様を決める−
ことになっている。

でも、正直に言おう。
当店はかなり恣意的に決めている。
だって、例えば、毎回注文を下さるお客様が、今回も何点か注文を下さって、
「1点も当たりませんでした」と言うのは、やはり心苦しいではないか。
もちろん、これは当店での話であって、他店はどうなのか知らない。

さて、当選者を決めたら、次は「短冊」を書く。
短冊というのはコレ。
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これに書名と当選者の名前を書き入れる。
それから「送り」=発送する人=と「来場」=明日あさって会場に取りに来る人=を区別できるように印をつけておく。

こういう感じ。
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一人のお客様が数点御注文になることが多いので、51点の注文に対して、今回はこの短冊を38枚つくった。
短冊の用紙は、別に決まりはなく、自分で紙を切って作ってもよし、印刷屋さんに頼んでもよし。
当店が使っているのは「サンシャイン大古本まつり」の時に参加店が共同でつくったもの。
使いやすくできているので愛用している。

次に「当落表(とうらくひょう)」をつくる。
明日あさって、御注文下さったお客様が、御自分の注文が抽選で当選したかどうかを問い合わせてくる。
会場に電話をかけてくる方もいるし、直接お見えになる方もいる。
会場の誰が尋ねられても的確に答えられるように、「この本は誰に当たりました」というのを一目瞭然にしておく。それが「当落表」だ。

まず目録から自店のページをコピーする。
そして注文のあった本のところに印をつけ、当選者の名前を書く。
これが出来上がり。
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参加店全員の分を集めて、会場に常備しておくのだ。

最後に現品と短冊、当落表を箱に詰める。
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さて、これで「抽選」作業は終わり。
所用ざっと3時間。

「場売り」の準備も終わった。
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手前から奥にかけて床に置いてあるのが、それだ。

さあ、あとは明日の搬入を待つばかり。

2011年03月11日

これが古書展だ! 3

3月9日。搬入前日。
目録の予約注文を処理する。

この日までに集まった注文書。
いつもたくさんの御注文ありがとうございます。
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予約注文の入った本には赤ペンで印を付けてある。
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注文は目録がお客さんの手元に着いた3月2日、3日ごろがピークで、以後だんだん減っていく。
当店の場合はFAXによる注文が一番多く、メールとハガキが同数くらい、電話が一番少ない。
おそらく、どの店でも同じようなものだろう。

注文が入った本は51点。
まずは51点すべてが、ちゃんとあるかどうか(!)、現品と付き合わせて確認する。
今回は行方不明の本はなかった。
よかったよかった。

注文の入った本。
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さて、これから「抽選」を行う。
古本屋は基本的に「一商品一在庫」。
ところがお客さんの欲しい本というのは、だいたい似通っている。
だから、注文の重複する本(「ダブリ」)が何点も出てくる。


展覧会に参加して13年経つが、今までにダブリの出なかったことは一度もない。
せっかく需要があるのに供給が細いから常に売り損ねている。
商業として根本的な欠陥である。
古本屋がどうしても儲からない第一の理由はこれだと思う。
注文の入った数だけ売ることができれば儲かるのになあ・・・

まあ理屈はいい。
とにかくダブリ注文の入った本は「抽選」をして、お客様を一人に絞らなければならない。
これからその作業にかかる。

2011年03月09日

これが古書展だ! 2

3月1日、印刷屋さんから目録とポスターが出来上がってきた。
目録はこの日、全国約3,000人の顧客にも発送される。
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目録が出ると一気に臨戦モード!
「場売り(ばうり)」の商品を準備しなくては。

仕入れた本の山。
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ここから取捨選択して値札を貼り付ける。

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こういう値札を印刷屋さんに発注してある。
当店では年に一回くらい、2-3万枚つくる。

これにゴム印で値段を押す。
本当は、当日の計算が大変なので金額は「200」「300」「500」「800」「1000」てな感じで、切りの良い数字にする。
でも消費税込みの総額表示が義務化された2004年ごろからは、この習慣も完全に崩れてしまった。
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何百という値札にゴム印を押すのは結構大変な作業。
なので、頻繁に外売りをする本屋さんの中には、金額入りで印刷してしまう人もいる。
もちろん、かなり大量発注するからできるわけだが・・・
最近はパソコンで自作する本屋さんも増えてきた。

本が売れたときは、こうして下半分を切り取る(ミシン目が入れてあるのですぐ切れる)。
下半分(下券:したけん)はわれわれの計算用に。
上半分(上券:うわけん)は本に残るので、連絡先や宣伝文句を入れる。
販売者の責任を明らかにする意味もあるし、蔵書処分のときには当店に連絡してね!という意味もある。
初参加の書店さんの中には、間違って下半分に一生懸命宣伝文を入れている人がいる。
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工作好きのボクは、こういうものを作って金額別に仕分けしてある。
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さて、この値札に糊をつけて本の後ろ見返しに貼る。
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こういう感じ。
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この作業を黙々と続ける。
値段は、ボクの場合は、本を見て直感で決める。
いちいち考えていると、いつまで経っても終わらないから。
「展覧会に掘り出し物が多い」理由のひとつだと思う。

値札のついた本が少し溜まったらビニール紐で縛る。
持ち運びに便利だからだ。
段ボール箱に詰める本屋さんも多いが、何の本が入っているのかわからなくなるし、かなり重くなる。
だからボクは「縛り」派だ(いえいえ、そちらの趣味ではなくて仕事のハナシ・・・)。

だいたい20-30冊をひと縛りにする。これを「一本」と数える。
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こんな感じ。
画面からわかりづらいが、十字に縛ってある。運ぶときは紐が持ち手になる。

古書会館の陳列台1台あたり、20本ぐらい必要だ。
当店は今回、4台使うので80本ぐらい作らなければならない。
結構な肉体労働である。

2011年03月07日

これが古書展だ! 1

古書ファンなら先刻御承知、ファンでなくとも一度はおいで「展覧会」。

「古書展」「即売展」などなど呼び名はいろいろだ。
お客さんがブログなどで会場風景を紹介して下さったり、東京古書組合のブログでも時々書いてくれるのだけれど、古本屋自身の視点で紹介したものはほとんどないのでは?

そこで3月11日・12日、東京古書会館で開催の「城南展」の様子をじっくりと紹介してみよう。

城南展
日時:2011年3月11日(金)・12(土) 10:00-18:00(最終日は17:00)
場所:東京古書会館 地階 (東京都神田小川町3-22)


東京古書会館では、15くらいのグループが交代で、ほぼ毎週古書展を開いている。
それぞれ20人前後の古本屋さんが集まり、「城南展」「城北展」などと名前を付けている。
これらグループを「同人(どうじん)」と呼ぶのは、文学の世界の影響だろう。
ボクよりずっと上の世代の古本屋さんには元文学青年が多いから。

古書展の運営にはそれなりの運転資金が必要だから、グループに入る人は出資金を払う。
グループによってかなり違うが、まあ5万円くらい。
また、その都度、会場費と目録の制作費・郵送費が必要だ。
そのために、目録や陳列台の分担に応じて「台割(だいわり)」「ページ割」を払う。
他にもこまごました経費がかかるので、売上高の一定割合を「歩金(ぶきん)」として負担する。
つまり、売れる売れないにかかわらず負担する固定経費を基本にしつつ、累進課税を加味してあるわけだ。
これら経費は売上現金を渡すときに差し引く。

実は古書展の仕事は、その一ヶ月以上前に始まる。
城南展の場合、19人の古本屋が参加しているのだが、
その都度その都度、持ち回りで「当番さん」を決めてある。

その当番さんから最初の開催案内が届いたのは2月3日。
むかしはハガキで来たのだが、今はたいがいFAX。
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会場の図面、目録の締め切り日など必要事項。
「あなたの分担は、陳列台何台、目録何ページですよ」と書いてある。
何台・何ページを分担するかは、前回の開催時−城南展なら去年の10月−に自己申告してある。

多くの古書展では「古書目録」を事前発行する。
当日の「場売り(ばうり)」と「目録」の二本立てが普通だ。
今回、目録の原稿締め切りは2月14日。

当店では、ふだんからインターネット用に書籍データを入力しているので、
「これは目録向きだな」と思うものは、インターネットにアップロードせずに取っておく。

当店は3ページを担当。1ページあたり48点ならぶので、144点の商品を用意する。
こういう具合に棚に入れてある。
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当店は年間8回くらいだが、頻繁に古書展に参加する古本屋さんは、この「目録のネタ集め」に四苦八苦することになる。

2月14日が来た。
入力データをテキスト出力してフロッピーに落とす。
印刷屋さんにメールアドレスがないので、いまだに3.5インチフロッピーだ。
それと「レイアウトはこんな感じで」ということで、プリントアウトしたものを添える。
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もちろん、いまでも手書き原稿で持ってくる古本屋さんも多い。
ちゃんと目録用の原稿用紙がある。私は使わないので、画像で紹介できないのが残念!

これを持って東京古書会館に行く。
当番さんが皆の原稿を集め、印刷屋さんに送る。
ルーズな古本業界のことゆえ、締め切りに間に合わない人が必ず出る。
その人は「印刷屋さんに直送」となる。

さて、これでひとやま越えた。
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